コラム

住宅の屋根の中でも最もシンプルで人気があるのが「三角屋根（切妻屋根）」の家です。三角屋根は、シンプルだからこそ、どんなデザインテイストにもマッチし、コストも抑えやすいなど、メリットがたくさんあります。

今回は、三角屋根の魅力とおしゃれな外観事例をたくさんご紹介します。三角屋根の家ならではのおすすめの間取りも紹介しますので、家づくりに役立ててくださいね。

 

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三角屋根（切妻屋根）の家の魅力

・外観の特徴

三角屋根は「切妻屋根」とも呼ばれ、屋根の中でもシンプルで合理的な形状で、日本の新築一戸建て（木造軸組工法の中）でも約4割以上が切妻屋根です。家の絵を描くとき、切妻屋根を描く人も多いと思います。

参考HP：住宅金融支援機構「平成29年度フラット35住宅仕様実態調査報告」

5年ごとに調査が行われていますが、最近では寄棟屋根の減少と片流れ屋根の増加が目立ちます。このようなトレンドはありますが、切妻屋根は常に人気のある形状です。

切妻屋根の外観は、誰にでも馴染みがあり安心感を感じます。カナダの児童文学「赤毛のアン」でアンが住むことになる家の形状が切妻屋根であり、原題の「Anne of Green Gables」は、直訳すると「緑の切妻屋根のアン」となります。

アンの家のモデルになったとされる緑の切妻屋根の家（Wikipediaより引用）

シンプルだからこそ、飽きがこなくずっと愛せる家、何世代にもわたって住み続けやすい家、それが三角屋根の家の魅力です。

 

・三角屋根ならではの間取りの特徴

ロフトやスキップフロアを使って多階層の家が可能

三角屋根の家は、小屋裏のスペースを活かして家の中心に広いロフトのある間取りが可能です。平屋なら1階+ロフトで1.5階、2階建てなら2.5階建てのように、実用的なロフトやスキップフロアのある多階層の家が建てられます。

 

吹き抜けの開放感が大きい

家の中心に階段を設置して吹き抜け構造にすると、とても開放感のある空間ができます。三角屋根の構造を活かして、勾配天井にすることで、より高さが際立ち、縦に広い空間を作れます。

 

三角屋根（切妻屋根）の家のメリット

・雨漏りのリスクが少ない

三角屋根は、数ある屋根の形・種類の中でもシンプルで、水が溜まりにくく流れやすい形状です。そのため、他の屋根よりも水はけがよく、雨漏りリスクが少ない屋根と言えます。

形状で言えば片流れ屋根や陸屋根もシンプルですが、同じ屋根面積なら、雨水が屋根にとどまる時間が最も少ないのは切妻屋根になります。

また、切妻屋根や片流れ屋根は、屋根同士の取り合い部分（つなぎ目）が少ないので、つなぎ目部分の劣化による雨漏りのリスクも少ない屋根といえます。

 

・コストが少ない屋根

切妻屋根は、材料費や施工費の面で、イニシャルコストが抑えやすいのもメリットです。寄棟屋根や方形屋根と比べると屋根材や各部材が少なく済むことが材料費を抑えやすい理由です。

また、切妻屋根は構造がシンプルで、施工しやすいことから施工費も抑えやすくなります。また、リフォームやメンテナンスの時も同じく、施工費を抑えやすいため、イニシャルコストだけでなく、ランニングコストやメンテナンスコストもより安く済みます。

 

・換気性・採光性が高い

屋根には、小屋裏（屋根裏）を換気するために、屋根の軒裏の換気口（軒天換気）や換気棟（屋根の頂部の換気部材）が設置されます。小屋裏換気は、小屋裏に湿気がこもるのを防ぎ、夏場は熱がこもるのを防いでくれるので、快適な家にはかかせない部分です。

切妻屋根は、この他に妻換気（外壁の三角になっている部分に換気ガラリを設置）ができるのがメリットです。妻換気をすることで、より小屋裏や室内環境がよくなり、劣化しにくく快適な家になります。

また、妻側の壁に窓（高窓）や屋根に天窓を設置すると、家の中にたくさんの光を取り込めます。

 

・太陽光パネルを設置しやすい

切妻屋根は、屋根の1面の面積が広く、雨漏りもしにくいことから、太陽光パネルを設置しやすい屋根でもあります。

 

・雪の積もる量をコントロールできる

雪の多い地域では昔から勾配の急な三角屋根が用いられてきました。雪を屋根から素早く落下させ、雪下ろしの負担を軽減します。また、屋根に積もる雪の量を勾配でコントロールできます。

 

・様々なデザインに対応できる

切妻屋根はシンプルなデザインゆえに、様々なテイストの外観を作れます。ナチュラルなカントリー風、和風住宅、北欧風、西海岸風など、実に様々なデザインに対応できます。屋根材の種類も、和風瓦や洋風瓦、金属屋根などの素材や葺き方の自由度が高く、好きな屋根デザインを実現しやすくなります。

 

三角屋根のデメリット

シンプルでメリットの多い三角屋根ですが、注意したいポイントもあります。デメリットを理解して、必要な場合はあらかじめ対策しておきましょう。

・妻側が劣化しやすい

妻側（壁面が三角形になる面、雨樋が付いていない面）の破風板などが紫外線に当たりやすく、劣化しやすいというデメリットがあります。また、ケラバ（妻側の壁から飛び出している部分）の出が少ないと、壁面や窓などの開口部も劣化しやすくなり、その部分からの雨漏りリスクが高くなります。

劣化しやすい部分ということを理解した上で、屋根部材の性能をチェックして選びましょう。また、メンテナンス時はしっかりと点検し、補修や塗装で補強するなどで対策しましょう。

 

三角屋根の家のおしゃれな外観デザイン4選

①シンプルモダンな軒ゼロの三角屋根の家

こちらの三角屋根の家は、軒の出を最小限にした、シンプルモダンな外観に仕上げました。外壁材や雨樋、ガレージシャッターも黒一色で仕上げたことで、よりモダンな印象になっていますね。玄関ドア周りのみ、木の素材感を加えてアクセントにしています。

1階リビングの上部は吹き抜けになっています。1階リビングからはスキップフロアで1.5階のダイニングキッチンと、2階のセカンドリビングが吹き抜けでつながっている構造です。三角屋根の大きな小屋裏（天井裏）スペースを最大限に生かしたスキップフロアは、限られた面積でも生活スペースが増えるのでおすすめです！

こちらの詳しいプラン内容やデザインは関連ページからチェックしてみてくださいね。

 

②西海岸風の平屋サーファーズハウス

ゆるい勾配の三角屋根と、カバードポーチ、ラップサイディングを組み合わせた、西海岸風サーファーズハウスのお手本のような平屋の外観です。

同じ形状でも、外壁やフェンス、サッシなどを変えるだけで印象がガラッと変わります。こちらは一転してクールでモダンな雰囲気の平屋になっています。

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③アメリカンヴィンテージスタイルのおしゃれな外観

ダークグレーのガルバ外壁と木を組み合わせた、アメリカンヴィンテージを感じる外観事例です。クールなPCフェンス（アメリカンフェンス）やヤシの木が、アメリカンな外観をより引き立てていますね！

内装も外観に合わせたアメリカンヴィンテージにこだわりました。濃い色の古材風カウンターやレンガ風のタイルがおしゃれなキッチンです。

2階は三角屋根の勾配を活かした高い天井で、かなりの開放感があります。天窓のおかげでどのフロアにも光が入って明るい空間に♪

 

④北欧カントリースタイルの広い庭のある家

洋瓦とやさしいクリーム色の外壁がおしゃれな北欧風の三角屋根の家です。家とマッチするように美しく手入れされた広いお庭が、ヨーロッパの田舎の家を思い起こさせますね。

家との調和を考えて、自然の姿をそのまま現すような植栽の配置や飛び石など天然石の使い方、木製フェンスのデザインやカラーなどが参考になります♪

こちらは2階リビングから出られるウッドデッキバルコニー。周辺に家が立ち並ぶ環境ですが、周囲からの見え方に配慮して、周りを気にせず使える位置にしました。

ウッドバルコニーにはお庭からも入れる動線があります。

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まとめ

今回は、シンプルだからこそ、思い思いのデザインに対応できる、おしゃれな三角屋根の家の外観や間取り実例をご紹介しました。

平屋建て、2階建てを問わず、どんな家にも似合う三角屋根の家は、外壁や屋根、外構の選び方で北欧風、西海岸風サーファーズハウス、カントリーハウス、和モダンなど様々な外観デザインを実現できます。

また、三角屋根の勾配を活かして、天井裏をロフトや高い天井にすることで、スペースを増やしたり開放的な大空間を作ったりできるのもメリットです。

今回ご紹介した三角屋根の家以外にも、山小屋風の家、北欧風の外観の家、薪ストーブのある家などの事例を多数掲載しています。ぜひ施工事例集も合わせてチェックしてみてください♪